きっかけは何だったか分からない

気がついたら、彼女に惹かれている自分がいた。














「どうしたのですか?、リキ」

授業と授業の間の短い休み時間、彼女にそんな事を聞かれた。
君の事を考えていた。
....何て言える筈も無く

「何でもないよ」

と、答える事しか出来なかった。

「でも、顔が真っ赤ですよ?」

君の顔が近くにあるからだよ。
....何て言えたらどんなに楽か。
とりあえず誤魔化しておく

「気のせいだよ、クド」
「気のせいですか」
「そう、気のせい・・」
「分かりました!」

そう言って彼女は自分の席に戻っていく。
僕はその背中を、最後まで目で追っていた。


「はぁ...」

ため息が出た。

重症だと思う。

気づけばクドの事を目で追っている。
気づけばクドの事だけを考えている。
クドが休みの時は授業なんて聞いてられなかった。
一刻も早くクドの元気な顔が見たいと、
それだけを考えていた。

「どう考えても....」

恋の病。

「そんなのにかかるとはなぁ...」

ため息が出る。

隣の席に目をやると、真人が爆睡している。

クドの席を見ると、西園さんと何やら話している。



.......もう認めよう。





僕は正真正銘、決定的に、もう言い逃れが出来ないくらいに_____









_______クドの事が、好きなんだ。